エレガントな毒の吐き方 脳科学と京都人に学ぶ「言いにくいことを賢く伝える」技術 https://amzn.asia/d/cIoyjbM
【エレガントな毒の吐き方】
脳科学と京都人に学ぶ「言いにくいことを賢く伝える」技術。京都人の独自性は、京都が1000年以上憧れられる都市であり続け、流動性がなく、よそ者に歓迎すると街が焼かれる危険性があったため磨かれた独特なコミュニケーション特性にある事がよく分かる。歴史を学ぶと現在の疑問と繋がります。
●NOを言わずにNOを伝えるコミュニケーションが今こそ必要。
●曖昧さを賢く戦略的に使いこなす。
●京都は長らく誘引力の土地であり続けた。戦乱をもたらす人もいたし誰が権力を持つかもわからない中、どこにも敵を作らず誰とも仲良くし過ぎない、というのは生きていく上での基本だった。そうやって編み出されたのが京都風の言い回しである。
●隣の家の植木が自分の庭にはみ出してきた。あなたは我慢しますか?それとも伝えるならどうしますか?
●京都人は「はみだしてますよ」とは言わない。「こんな元気に育って、いつもよく手入れされてるんでしょうねぇ」など。
●気付きにくいが、ちょっと違和感を持ち、よく考えさせるように仕向ける。
●NOと言「わ」ない。日本人のコミュニケーションは世界においては独特である。NOと言いたい場合、我々は、「黙る」という選択肢がある。
●全てを言葉で伝えるのは粋ではない、と我々はどこかで思っている。
●いいえの代わりに、難しい、検討する、また今度、いつかね、行けたら行く、などバリュエーションがすごい。
●江戸は18世紀から各地から人が集まる世界最大の都市になり複数の異なる人たちが流入したため流動性の高い社会であった。これを引き継いでコミュニケーションとしては比較的直接型のアメリカ型に近いものが選択された。
●一方京都は家同士でも300年間お隣さんということがあり得る環境。本当は不満があって困っていて嫌でなと思うことでも相手の気持ちに火を付けてしまうのではなく、うまく伝える方法が必須となる。それが独特の言い回しになっていった。ある種言葉のアートを生み出していった。
●実は国際的な「本音を言わない生き方」。イギリス人は非常に礼儀正しいが、それに似ている。ボストン茶会事件を案に差して、「お茶はカップに注ぐ方が良いよね、湾じゃなくて。」というような表現でブラックだがおかしみのある表現で距離を詰めてきたりする。
●脳は調和よりも論破を好むように出来ている。しかし一度きりの勝利よりも大切なことは、現代はより記録に残ってしまう時代になったので、言葉の上手い使い方を覚えることにより将来の危機を回避できるかもしれないこと。
●関係が深くない人から無理な依頼をされて断りたい→今忙しいのでごめんなさい。これは一般的。ここで、「いえ、嬉しいですけどちょっと。もっとあってる方を探しましょうか。」とする。
●使えないアイデアを提案されたので却下したい→いい感じですが、今回は合わないかもしれません。これは一般的。ここで、「それおもしろおすなぁ」という。類似の言葉として「けったい」も使われる。おもしろいこと言わはる→「こちらとしては全く受け入れ難いことをおっしゃいますね」と言う意味。
●お断りの類似例→もったいないお話、考えときます、3代前がそれで家を潰しかけまして、しばらく休ませてもらいます。
●長電話ん切りたい→ほな、そう言うことで。ほな、は話が長い、切り上げたいという意味。
●マウンティングされて困ってます。→ところでこのお茶美味しいですね(話題を変える)のは一般的。ここで、「どこを取ってもすごいですね、もう仙人みたいです」一見褒められているようにも感じられ、かつユーモア混じりなので言われた方は反論したり否定しづらい。
●答えたくない質問をされたらただ繰り返すだけでも良い。子供いないの?などというややデリケートな質問には一拍置いて「子供いないの?って仰いました?」などと聞き返す。
●知っておくと便利な4つのキラーフレーズ
1、おもしろい。
結婚しないの?彼氏いないの?などのセクハラ質問に対して2度と同じ質問させませんよという意味で、おもしろいことを仰いますね?と使う。
2、元気。
さっき隣にいた人元気よろしいな。良い意味も含むが、イケズに使われる場合は、騒がしい、うるさいという意味も含んでいる。
3、考えておきます。
否定したり断りたい時に、いいえと言わずに真意を伝える方法として多用される。
4、しばらくお休みします。
やめたいと言わずに、そっとフェードアウトする時に用いられる。
●意外に居心地の悪い「褒め」スマートな返し方は?→何も出ませんよ(笑)と切り返す。
●京都では論破をして相手とのパイプが無くなってしまうということよりも痛み分けて妥協点を見つけ合う互恵の文化となった。
●1000年以上常に多くの人が憧れる都市であり続け、階層間の流動性も低い京都という特殊な地域性。
●何故京都は、よその人に敏感なのか。コミュニケーションを取るときに自分たち仲間のルールを優先するか、よその見知らぬ人のことを優先するのかを考えないといけない。京都は長く、ここを取れば日本を取ったと同義になる都市だったため、多くのよそ者が強引にでも仲間になろうと押し寄せてきた。
●なので、よそ者をうまくあしらう必要があった。さもなくば本当に街ごと焼き払われるリスクに常にさらされる。
●京都人はいうほどエレガントではない、結構はっきり言うよという人もいるし、京都人の厳しい基準からみてエレガントではないと言うことなのかも知れないし真意ははっきりとしない。
●京都という歴史が生み出したエレガントな人間関係の知恵、戦略的あいまいさ、コミュニケーション手法は学ぶ価値のあること。
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