【本要約】素材技術で産業化に挑む ペロブスカイト太陽電池 - 次世代エネルギー革命の鍵
このペロブスカイト太陽電池が日本の次世代技術の一つになることは間違いなく、めちゃくちゃ興味深く拝読しました。 貼る太陽光パネルが出来れば、いつでもどこでも建物や車、窓ガラスまでもが発電でき、エネルギー問題を解消する要素になり需要は拡大する。 この知識を持って研究開発などにいち早く更なる投資を行い、世界でのイニシアティブを取るべきと改めて強く思いました。
目次
はじめに
次世代太陽電池技術として注目を集めるペロブスカイト太陽電池。本書は、この革新的な技術が持つポテンシャルと、日本企業の挑戦を詳細に描き出しています。
ペロブスカイト太陽電池とは
従来のシリコン太陽電池とは全く異なる、薄くて軽く、曲げることができる次世代型太陽電池。建材ガラスに直接塗布できるほどの柔軟性を持っています。
メリットと可能性
驚きの特徴:
- 薄くて軽い
- 曲げることが可能
- 低コスト
- 室内光でも発電可能
応用範囲の広さ:
- 高層ビルの壁面発電
- 通信基地局
- 農業分野
- 電気自動車(EV)
- 宇宙技術
現状と課題
デメリット
- 大面積モジュールでの高効率達成が困難
- 耐久性の低さ
- 環境への懸念(鉛を含有)
シリコン太陽電池との競争
日本はシリコン太陽電池で先行したものの、中国企業の低価格攻勢により、現在市場の8割を中国製品が占めています。
製造技術の詳細
製造プロセスは高度で精密: 1. フィルムまたはガラス基板上に真空成膜技術(スパッタリング法)で透明電極を皮膜 2. 電子輸送層、ペロブスカイト層、正孔輸送層を溶液塗布法で成膜
日本の強み
原料面での優位性
- ヨウ素生産量で世界第2位のシェア
- チリと比較して生産コストで有利
技術面でのイノベーション
将来の展望
2040年には、タンデム型ペロブスカイト太陽電池が市場の70%(2兆4000億円)を占めると予測されています。
今後の課題
- 鉛フリー化の研究
- 耐久性の向上
- 大規模生産技術の確立
おわりに
ペロブスカイト太陽電池は、日本の技術力と素材開発力が試される次世代エネルギー技術。世界でのイニシアチブを取るためには、さらなる投資と研究開発が不可欠です。
書籍情報
- 書名: 素材技術で産業化に挑む ペロブスカイト太陽電池
- 著者: 葭本 隆太
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この本のここがスゴい!
- 次世代太陽電池技術の詳細が丸わかり
- 日本企業の挑戦と可能性を描写
- 技術的課題と将来展望を明確に提示