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【教養を磨く】

教養を磨く 宇宙論、歴史観から、話術、人間力まで (光文社新書 1263) https://amzn.asia/d/6wGA88W

【教養を磨く】

田坂広志さんの最新刊。最高です。AI時代に博学という教養は必要なくなり、幅広い専門の知を融合させ進化させる生態系を持たせることが描かれていて、圧巻。そして深く頷き師事したい本であり、人物です。

宇宙論歴史観から話術、人間力まで。今は博学であっても意味をなさない時代になってきている。AIで十分だからである。そして書物を通じて教養を磨くだけでなく、映像な動画、仮想体験なども教養の意味をこれから大きく変えていく。

専門の知から生態系の知への深化、言語の知から体験の知、物語の知への深化が進む。

無意識に処する力を持つ。「無言」で教える力を持っていた。話術の真髄は、実は「言葉」を超えたところにある。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。

人間関係が壊れるのはほとんどの場合、「自分のエゴの視点」を「正しい基準」であると思い込み、相手の言動を間違っていると批判し、非難し、嫌悪する状況に陥ってしまうから。

しかし自分のエゴを捨てる必要はなく、否定も、肯定もせずに、ただ静かに見つめること。エゴを大きく育てること。「大我」は「無我」に似たりという境地に至る。

才能を開花させる技法。人は誰もが多重人格、で述べたが、最も有効な一つの方法は「私淑」。私淑とは自分が身につけたい能力や才能を持っている優れた人物を心の中で「この人が自分の師匠だ」と思い定め、その人物から大切な技術や心得を学ぼうとすること。

するとその人物に似てくる。自分の中からそのじんぶつに似た性格や人格が引き出されてくると言っても良い。

スキルの奥にあるものを真似ようとすること。この真似ぶという修行を通じてこそ我々は自分の個性を見出すものであり、自分らしい個性的な【営業人格」や「企画人格」が育ってくる。

鞄持ちとは決して雑用係ではない。一流の人物から多重人格のマネジメントを学ぶ最高の機会に他ならない。

明日、死ぬという修行。経営者として大成するには3つの体験のいずれかを持たなければならぬ。戦争か大病か投獄か。投獄といっても拷問で獄死するような生死の体験であり、いずれも生死の体験を持たねばならない。

人生の3つの真実。人は必ず、死ぬ。人生は一度しかない。人生はいつ終わるか分からない。これらを直視すること。すると逆境力が身につく。命あるだけありがたいと思えて、不幸に見える出来事にと何かの深い意味がある、と思えるようになる。

そして使命感が定まる。人生一度、世のために何かを成そうという志へと昇華して行く。

最後に、時間密度が高まる。余命が限られている人が一日一日に大切に生きるように、一日を精一杯生き切る、という姿勢が身につく。

我々は他者に対する共感力を如何にすれば身につけられるか。素朴だが厳しい答え「人生において自身が様々な苦労を重ねること」。これを抜きにして真の共感力を身につけることはできない。若いうちの苦労は買ってでもせよ。とは実に的を射た言葉。

他人の不幸は蜜の味がする。この言葉に示される我々の心の中の小さなエゴ。誰の心の奥深くにもある。他者への共感を大切にしたいなら、この心の奥底の落とし穴を見つめなければならない。

賢明なもう1人の自分。役者の世界でも「良い演技をするには、役を演じている自分と、それを静かに見つめているもう1人の自分がいる」と語られて来た。

言葉を語るとき、大切なのは、何を語るかではない。誰が語るか、である。究極、言葉の重みとは背負って来た「体験の重み」である。

第四次産業革命が求める人材、三つの能力。AIで代替できない能力。一つはマネジメント能力。第二はホスピタリティの能力。第三にクリエイティビティ。これは新しく考案するという類のものでなく人間集団の中の集合知を活性化させ新しいアイデアコンセプト発生を促せる能力。いわゆるファシリテーション能力。

なぜ、嫌いな人は自分に似ているのか。他者への嫌悪の感情はしばしば自己嫌悪の投影である。自分を愛せない人は他人を愛せない。

スティーブ・ジョブズの才能に憧れる人が多いが死を直視した彼の生き方に学ぶ人は少ない。スタンフォードの卒業式スピーチでこう語っている。「私は毎朝鏡の中の自分を見つめながらこう自問して来た。もし今日が人生最後の日なら今日やろうとしていることを本当にやりたいだろうか、と」

人類の文化は全て死を忘れるために生まれて来た、と文化人類学者は言葉を遺している。

古典を通じて我々が深く学ぶべきは、登るべき高き山の頂だけではない。その頂に向かってどのように歩んでいくのか。

直感は過たない。過つのは判断である。どうすれば自分の中に眠る「直感力」を信じ、使う事が出来るか。意思決定をするのは自分ではない。「大いなる何か」が自分という人間を通じて世のため人のため良きことを成そうとしている。と考える事。

マネジメントの道を学ぶ事。理由は3つある。一つとして、人間として成長出来る。苦労の多い営みであるが精神的に成長し人間関係力や人間力が身についていく。第二として生涯通じて活躍できる。どのような職場でも何歳になってもそれなりに活躍する事が出来る。第三に淘汰の嵐を超えていける。AI時代における人材淘汰の波を越えるのはクリエイティビティ、ホスピタリティ、マネジメントの能力を高度に身につけたものである。これが時代の新たな変化の中で最も優れたキャリア戦略となっていく。

成功者の不思議な偶然。成功者を調査すると、折よく、たまたま、ちょうどその時、ふとしたことから、と偶然の出来事によって人生が導かれていた事を語る言葉が最も多く使われていた。

運の強さと一言で片付けるより、シンクロニシティという現象が存在するか否かを議論する。潜在意識のマネジメント。

「不動心」に関して。長年禅の修行を積んだ禅師と禅の修行を始めたところの若者の脳波の実験を行った。驚かせる大きな音を立てたところ、2人とも心が乱れ不動心ではなくなった。その後、若者の脳はひ乱れ続けたが、禅師はすぐに収まった。この実験は「不動心」の真の意味を教えてくれる。決して乱れぬ心ではなく、「乱れ続けぬ心」が不動心である。

 

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