本要約ブログ

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【火星で生きる】

 

【火星で生きる】

火星への入植はもうすぐ近くまで迫っている。夢物語でも幻想でもなく、もうすぐに来る選択可能な未来。

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●2027年火星に辿り着く。ラプター1号が火星の赤道付近にある巨大クレーターに着地する間に、宇宙飛行士は次のことを考えている。ベースキャンプとなる住居を展開すること。宇宙船で運んで来た建物を膨らませる。特殊素材でできたドーム状の圧縮テントが生活空間を増やし食料を育てる温室にもなる。

●火星の1日は地球より39分25秒長いが、1年は687日ある。水の探索を始める。近くに氷がなければ、地中レーダーで地下水を探しドリルで穴を掘る。

●次の宇宙船が来る2年後までにもっと長持ちする建物を作る必要がある。赤道付近にいると夏は21℃に達することもあるが夜はマイナス73℃。大気が希薄なので太陽放射線も遮れないため建物が必要。

●火星にロケットを着陸させることは未知の世界への第一歩という事にとどまらない。人類の安全保障政策そのものであり、直近でも環境破壊や核戦争勃発という地球で人類が生きられなくなる可能性があるからである。最後には地球は太陽に飲み込まれて消滅することは確定しているのだから、人類という種の存続の第一歩のためである。

●実のところ少なくとも30年前から火星に到達することは可能だった。

●火星に行くには狭い空間に数ヶ月、数年と閉じ込められる。長期間の飛行が招く心理的な負担についても気を配る必要がある。1人当たり酸素1万2000キロ、旅客船1機あたり食料7940キロ、飲料水1万3200キロが必要。

●イーロンマスクが民間でロケット会社を始めた理由は1つしかない。全ては火星に自給自足の恒久的な基地を建設するため。地球に住み続けられなくなることをはっきりと認識している。

●移住者が次の1000年間そこで暮らせるようにするための技術的課題は、マクスが宇宙ビジネスに乗り出した2002年以降加速度的に解決に向かっている。

●火星までは、公転周期によるが地球から月までの距離の1000倍(最長で)、最短でも150倍。無尽蔵の安価なエネルギーが要る。

●火星の重力は地球の3分の1強だが人類の生存にはギリギリ十分では?と予測している。多くの種は従来の想定よりも随分早く新しい環境に対応して進化を遂げるという近年の研究もある。

●火星に行こうとすると地球で許される被曝限度をはるかに超える量の放射線を浴びることになる。火星では放射線の遮蔽は限定的で放射線を防ぐ磁気圏(バンアレン帯)もない。生活する人のほとんどは防護壁の中や地下空間で過ごすことになる。

●マスクが描く典型的な火星移住者のイメージは50万ドル相当の中流住宅を保有する40代男女。火星行きのチケットを片道50万ドルで売ることが出来るだろう。21世紀の終わりには80億人に人口が達する。1万人に1人が火星に行くことにすれば十分。10万人に1人でも良い。

●10万人に1人の火星開拓志願者がいれば8万人規模のコロニーが火星に出現する。

●2030年までの間に火星入植輸送システムのバージョン1の完成を目指す。2030-2050の間に地球と火星は10回接近する。その20年間で40-50万人の人々が火星に行くかも知れないということ。

●最初に火星に飛んでいく宇宙船は1機か2機。しかし最終的には数百数千の船団になる。これはイギリスからアメリカの入植と似ている。初めてアメリカに渡ったイングランド船は1艘。その200年後はどうか。数千艘である。行き先が火星になっただけである。

●適切な着陸地点と滞在場所を探し当てること、大量の物資をあらかじめ地球から送っておく事が必要。そしてロボットを使って住居施設を建設、維持しておくことが望ましい。

●人類が火星で生きるために必要なものは5つ。食料、水、住居、衣服、酸素。

●火星に水があればそこから酸素を得る方法は色々ある。簡単なのは水に電流を流して作る電気分解。よって一番大切なのは水。地球からはるばる持っていくには重すぎる。火星には水があると考えられているが、火星でなければ生きていくことは不可能。

●凍った水の多くは火星の北極や南極に集中し一部は凍った二酸化炭素の下に埋まっている。かつて火星の上を自由に流れていた水の一部は火星が大気を多く失った際に宇宙へ蒸発した。開拓団は氷だけで出来ている小さな湖でも見つけられればこれほどラッキーなことはない。

●もし宇宙飛行士がレゴリス加工も湧き水探索も、氷の切り出しも失敗しても良い代案がある。火星の大気は湿っている。湿度が100%になることもある。水蒸気吸着機を使うと生命維持に必要な量の水を取り出せるという論文もある。

 

●酸素の問題。95%が二酸化炭素。火星の大気濃度は地球の1%しか無い。NASAが大気中の二酸化炭素を酸素と一酸化炭素に変える燃料電池のようなものを火星探査機に搭載する。不活性ガスも呼吸には必要だ。ヘリウム、アルゴンなどは候補。

●火星への移住者はベジタリアンにならざるを得ない。火星で植物を育てる方法を研究している学生は多い。赤道付近では温度がある程度高いので空気で膨らませる温室が使える。しかし夜間の気温低下を補う電気暖房設備が必要。

●植物学的には地球の重力の10分の1の重力でも栽培は可能だが、地球の38%重力の火星で栽培した際にどんな影響があるのかは誰も分からない。

●地球に似せて火星を造る。惑星の大規模改造をテラフォーミングという。莫大な費用がかかる。カナダの西海岸と同じような気候の大地を稼いで暮らす人類が歩けるようになるには1000年ほどかかるかも知れない。

●火星の温暖化プロセスにはいくつか考えられる。太陽光を出来るだけ火星地表に降り注がせるための巨大な鏡の建設。アンモニアを多く含む小惑星を火星に衝突させて気温を2.8度上げられる。アンモニアは水素と窒素に分解される。

●最もコストをかけないのは最近を使う方法。窒素と水をアンモニアに変えたり、水と二酸化炭素からメタンを生み出したりする細菌。

●火星を変えるか人間を変えるか。人体は宇宙飛行向きでは無い。たまに放射線の影響を他人より受けずらい人がいる。その原因を突き止め遺伝子組み換えにより宇宙適応型の人間を作る方が早いかも知れない。

 

●人類が火星を宇宙服や酸素マスク要らずの惑星に作り替えようとしている究極の理由は、残念ながら、我々が地球を破壊しつつあるからでもなく、太陽に地球が飲み込まれるまでに人類が宇宙空間へ移動できるようになっている必要があるからでもない。1番の理由は、ゴールドラッシュと同じく富を手に入れるためだ。歴史上のあらゆるフロンティアがそうだったように人々を突き動かす原動力は過去をリセットし一山当てようという夢にある。

●火星と木星の間を回る小惑星帯に存在する鉱物資源の価値は今日の地球で考えると一人当たり約1000億ドル。小惑星帯は金属資源に富んでいるが、地球からは遠すぎて採掘に行けない。地球を脱するロケットを打ち上げるのにお金が掛かるが、重力が弱い火星から小惑星帯への打ち上げコストは比較的コストを抑えられるかもしれない。

●採掘した金属を地球に持ち帰るのはコストが高すぎる。火星から地球へ送るものといえば基本的には知的財産となる。娯楽やソフトウェアなど。ものを送るのは信じられないくらい値段が高くなる。火星から帰還する宇宙船の貨物は火星に行く時より少なくて済む。重力を脱するブースターが要らないから。

●人口が80億を超える地球ではこの100年で地球上の金属を取り尽くしてしまうかもしれない。太古から地球を形成していた金属は組成の段階で地球の巨大な重力に引っ張られ核として内部に引っ張られている。地球が冷めて地殻が出来ると太陽系形成に伴っていくつもの小惑星が地球に降り注ぎ、現代の産業が利用しているレアメタルをもたらした。

NASAや宇宙に目をつけている投機家たちは小惑星帯から取れる金属資源を既に見越して行動しているが、皆が皆火星から取りに行く方がずっと良いとわかっているわけでは無い。火星と小惑星の間を採掘船が往来しレアメタルなどから珍しい製品を作る工場が火星に建設され、製品が地球へ輸出される未来も考えられる。(Made in MARSのiPhone30など。)

 

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