【人新生の資本論】
見えてきた資本主義の限界に対する答えを探り提言する勇気ある書。SDGsでは全く解決にはならないという論は目が覚める。気候変動や地球の持続性を考えるとあまり時間がない。
人新世の「資本論」 (集英社新書) https://amzn.asia/d/ibaxdSp
●気候変動対策のための大切な30年を失った。今のシステム(資本主義)を変えないといけない。
●アボガドは生産に水を大量に使う。地表の栄養をかなり奪う作物のため、生産が多いチリでは、水不足が深刻化しているが、消費国は全くそのことを知らない。
●グリーンニューディール政策であるSDGsは環境に優しい経済成長。これは痛みのすり替えでしかない。
●もはや環境保護と経済成長は両立しない。 そのため経済成長は諦めて、「資本主義的な利益最大化のための合理化という価値観」から、それを自己抑制して「万人の繁栄と持続可能性に対して合理化する価値観」に切り替える必要がある。
●生産性のワナ。経済成長をどうしても求めてしまう。人類は資本主義の限界に気づきはじめている。社会主義か野蛮か、の分岐に近づいている。
●二酸化炭素の排出量は2.3%ずつ増えている。
●世界の富裕層が二酸化炭素排出の50%を占めている。世界の半分の人口は10%も二酸化炭素を排出していないが、普段は目に見えるのように世界の貧困層に向かう。
●EVに必要なリチウム産出は水を大量に使う。地下水の汲み上げにより、コンゴ、チリでは深刻化している。
●子供も労働力であり、1日の賃金は1ドル程度。生き埋めになる危険も高い。訴えもあることは明らかだが、SDGsが推進されていて、見え方としては、環境に優しいと言っているに過ぎない。
●2億8000万台にEVが増えるが、削減される二酸化炭素は1%である。問題が他に転嫁されているだけなのである。
●脱成長を求める資本主義は可能なのか。毛沢東やソ連の社会主義や野蛮に逆戻りするのではない方法を取る必要がある。
●「格差」と「環境問題」を「同時」に解説する道を探さなければならない。
●社会を変えようと言う動きが起こらない理由は、不都合な問題を遠く離れた国や地域に押し付けようとする「外部化」が原因。温暖化にしても温暖化ガスのタイムラグがあるせいで今この瞬間の二酸化炭素の影響を受けるのは我々ではなく次の世代となる。
●マルクスが思い描いていたのは「自分の能力に応じて他の人に与えてみんなから受け取る社会。この相互扶助の原理をコミュニズムと呼ぶ。
●コミュニズムか野蛮か。この2択であればコミュニズムを選択したい。自治管理、共同管理が必要。
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