【宇宙の地政学】
経済が回れば優秀な科学者を雇うことができ、軍事力も増強できる。過去から紐解き、今後宇宙覇権を握った国が地球支配を容易にする流れを解いている本。
宇宙の地政学:科学者・軍事・武器ビジネス 上 https://amzn.asia/d/bG4fkEm
●敵がいるから科学は発展するのか。科学者・軍事・武器ビジネスの関係性。
●軍事・産業と科学者の奇妙な同盟関係。
●戦争ではしばしば科学技術が決定的な役割を果たす。片方が科学技術の知識を活用し、もう片方がそうでないとき、そこには必ず力の非対称性が生じる。
●生物学者が戦時協力を求められれば、細菌やウイルスの兵器化を考える。包囲戦の際、腐敗した動物の死骸を城壁のなかに投げ入れるのは、生物兵器使用のはしりだったかもしれない。
●戦争には化学者も貢献する。古代の戦争で井戸に入れるための毒、第一次世界大戦のマスタードガスや塩素ガス、ベトナム戦争の枯葉剤や焼夷弾、現代の紛争で使われる神経ガス。
●物質、運動、エネルギーの専門家である物理学者が戦争でなすべき仕事はシンプル。こちらのエネルギーをあちらに持って行くこと。
●それが最も強力な形として具体化されたのは、第二次世界大戦で使われた原子爆弾であり、その後の冷戦中に開発された、さらに破壊的な水素爆弾だった。
●エンジニアがすべてを実現する。科学を使って戦争を容易にするのは、エンジニア。
●天体物理学者と軍隊は、たまたま関心事の多くが重なっている(マルチスペクトル検出、距離測定、追跡、画像化、高地、核融合、宇宙利用)。
●天体物理学者のコミュニティ全体としては、他の多くの学術界と同じく、圧倒的多数がリベラルで反戦主義だが奇妙なほど軍と共謀関係にある。
●天測航法が征服や覇権に利用された最も古い時代から、人工衛星が戦争に利用される現代までを通して探る。
●不可視性は天体物理学者と軍人の双方を魅了する。いずれも監視活動に従事するから。
●天体物理学者は知識追求のため、望遠鏡を利用してはるか遠くの宇宙空間を探索する。軍人たちは敵の隠された部分を探りながら自分自身の姿を秘匿し、危険を避けながら支配権を確立しようとする。