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【新・宇宙戦争】

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【新・宇宙戦争

これはSFでも何でもなく、我々が生きている間にほぼ確実に起きる未来であり、未来を想定して現在の行動に変えるバックキャスティングが大切であると教えて貰える良書でした。特に、サイバー関連の攻撃の後は膨大なデマやフェイクニュースSNSに氾濫することは、これからの戦争における常識であることは全国民が知っておくべきことだと思います。

新・宇宙戦争 ミサイル迎撃から人工衛星攻撃まで (PHP新書) https://amzn.asia/d/3YGpSoV

 

●カーナビが動かなくなる、ATMからお金が引き出せない、電車が突然止まる、ケータイが通じなくなる。これらは宇宙戦争の始まりを疑う価値がありそう。

●何らかの攻撃や事故が衛星システムに起これば、宇宙への依存を深める我々の生活は一変する。

●宇宙人と人類の戦いではなく、人類同士の戦いが宇宙で起きるかも知れないというシナリオ。

●宇宙を経由するデータ通信量が増大および高速化する事で衛星利用の飛躍的増大が予想されており、小型衛星が増えて宇宙の混雑化が、深刻化していくことは間違いない。

●未来の戦場。敵を探し回る自動徘徊型の無人戦闘車両、空母に襲いかかる数万の小型ドローンの群れ、空中戦の只中にもパイロットに戦い方のアドバイスを行うバーチャルアシスタント、リアルタイムの情報を元に自律的な攻撃を行う空対峙ミサイル。

メタバース空間における戦い。メタバースソーシャルメディア、オンラインゲーム、AR、VR、暗号資産などの多様な要素を含み、ユーザーが仮想的に活動できるデジタル現実と考えられ、新たなサイバー空間の概念を意味する。

●遠くない未来で技術進化に伴い公共性の高いサービスがメタバース空間で提供されSNS同様急速に利用が進む可能性は高い。

メタバース空間における治安や安全保障上の問題が一層深刻化することも考えられる。メタバースを宇宙、サイバー空間と同様に軍事的な作戦領域の一部と位置付けで安全保障上の対応を模索すべき。

●中露の宇宙協力について。中国は2022年自前の国際宇宙ステーションを完成させた。ロシアは25年には国際宇宙ステーションから脱退し自前の宇宙ステーションに向かう。中露で宇宙ステーションの具体的な協力が始まるようにもみえるが、中国は天宮にロシア人宇宙飛行士を迎え入れることは消極的であり、両国間の政治、文化、技術面での国益といった目に見えない障壁によって実現は難しい。

●「統一を実現しなければならない。実現できる」と言い切った習近平による台湾統一は、実現できなければ中国共産党習近平もその存在意義を問われることになる。中国が最終的に先進国との正面からの戦争ではなく、宇宙、サイバー、電磁波空間における非対称戦を重視したハイブリッド戦争を決心すると考えられる。

●ハイブリッド戦を通じて相手を消耗させ短期間の戦闘で制圧することを好む。半導体があるため多くの破壊や犠牲者を出す武力行使が目的ではないことも大きな理由。

●サイバー空間や宇宙空間における不法行為や攻撃により社会システムが誤作動を起こす、そしてSNS上に膨大なデマや嘘が流れ混乱をきたす中で台湾治安を不安定化させ、物理的攻撃を開始する。

●2018年米国は初めて国家宇宙戦略を立案し宇宙が戦闘領域に変化したことを認めた。NATO宇宙センター創設もそれに従っている。EUの宇宙戦略も着々と進んでいる。NATOはすでに2019年宇宙を陸、海、空、サイバー空間と並んで5つ目の作戦領域として位置づけた。

●日本は何をすべきか。宇宙に係る攻撃は日米安保の対象。アメリカのアルテミス計画への協力。月面でのロボットミッションで協力している。火星に直接ロケットを打ち上げるより、月面で組み立てた方が効果的。この裏には中国の宇宙覇権阻止の思惑もある。

●AI技術、量子技術、ロボット工学、バイオ技術、エネルギー技術は今後の先端的な重要技術として重点的に研究開発が進んでおり、指数関数的な進化の流れにある。2050年前後にはすでに技術的に熟成し実用化されている。

メタバースの利用者は仮想空間で交流することを通じて現実空間では経験できないような体験を楽しんでいる状況だが、その仮想空間ではもちもの、通貨、サービスなどは現実世界と紐づいており暗号通貨の利用により!その価値が安全に保証される。仮想空間と現実空間の境目は一層曖昧になりメタバース空間の多様な活用を促進するものと考えられる。

●人間の脳と兵器が直接繋がるBMI。ブレインマシンインターフェイスで人間の脳から出る脳波を信号に変換してコンピュータ情報を送ることが出来る。頭で考えるだけで戦車を動かし、戦闘機を飛ばすことができる。

●技術的には可能だが、兵器ぐ兵士の脳につながるため、果たして精神は耐えられるのかという問題は未解決。アメリカでは現状でも戦場で過酷なストレスに襲われた兵士が薬物に手を染めることがことが問題になっている。

●IoTで全てがインターネットにつながればシステムの1番弱いところを攻略して本丸に攻め入ることが常道。病院ネットワーク、発電所原発などが狙われると民間への被害は甚大となる。