【ドーパミン中毒】
現代はドーパミン中毒を利用した資本主義経済によって支えられている面が強いが、そのように把握して生活を送ることと、流されることは全く違う。前例のないほど富と自由、テクノロジーと医療の進歩がある時代に不安障害が強まっているのは、脳科学におけるドーパミンの使い方をきちんと理解しないといけないという警告のようだと感じます。
●ギャンブル、ゲーム、薬、セックス、などあらゆる依存症は、1番の危険因子としてその「ドラッグ」へのアクセスのしやすさがある。
● 1920-1933年までアメリカで施行された禁酒法はアルコール依存症になるアメリカ人の数を激減させた。肝臓疾患の割合も半分に減った。1950年代までその効果は続いたが、1990年にはアルコールを飲むアメリカ人割合は50%増えた。
●ドーパミン経済。タバコは世界で毎年6.5兆本売られているが手で巻けば1分あたり4本だったものが機械で2万本巻けるようになった。1日180億本摂取され、世界中で年間推定600万人の死者を出している。
●ウォーキングなどにより自分の考えていること、感じていることを展開させるのがよい。デバイスを使って気を紛らわせることを習慣化してしまうとずっと周囲の刺激に反応し続けなくてはならなくなる。
●私たちは皆苦痛から逃走している。薬を飲む人もいればソファーに寝そべりNetflixを一気見する人も、恋愛小説を読む人も、セックスする人もいる。自分自身から気を逸らす為ならありとあらゆることをしてしまう。
●世界幸福度調査報告書によるとアメリカ、ベルギー、カナダ、フランス、日本、ニュージーランド、イタリアなどの富や社会的支援、平均寿命のような指標を用いる国々で低下が見られた。(2018年と2008年を比べて)
●世界的平均収入が中、低位の国々よりも高位の豊かな国に制御不能な心配「全般性不安障害」が広まっており、度合いも強まっている。
●なぜ我々は前例のないほど富と自由、テクノロジーと医療の進歩がある時代に未だかつてないほどの不幸せと大きな苦痛を感じているのだろう。快楽と苦痛のシーソーに答えがある。
●快楽の側へ傾くたびに強力な自己調整メカニズムが働き水平へと引き戻そうとする。これは思考も意思も必要としない反射的なもの。一度シーソーが水平になると、そのままシーソーは快楽の時と同じ分だけ苦痛の側に傾く。
●皆快楽を味わうとその残像として渇望を感じることになれ。2枚目のポテチに手を伸ばす事といい、ゲームを2回目やろうとする事といい、簡単な解決方法としてはやり続ける、見続ける、食べ続ける、ということになる。
●しかし刺激に繰り返し晒されると快楽側の傾きが弱く短くなる一方、苦痛側の偏りは強く長くなってしまう。耐性を得る「神経適応」と科学者はいう。
●快楽主義が無快感症を生む。快楽を追い求めればどんな快楽も感じられなくなるとは皮肉である。
●人、場所、物に記憶される。条件刺激ぐ与えられると脳のドーパミン・ニューロンは発火して強い衝動に駆られてしまう事がわかっている。
●ドーパミンを断つには、
・これまでどのくらい使ってきたのかというデータを把握する。Data
・使う目的の把握。Objectives
・解決したい問題の把握。Problems
・断つ事。節制。Abstinence
・心の準備をする。Mindfulness。マインドフルネスとは脳がやっていることを観察する力。
・洞察する。Insight
・次の段階。Next steps
・実験。experiment
を意識して取り組むと良い。
●3つの方法。空間、時間、意味。
肥満の人の多くは、根本的に食べ物依存症である。食べ物が取れないと分かったときに多くの人がアルコールのようなドラッグへ移行する。
●暇な時間が依存を増やす。スポーツ賭博の40歳の患者は100万ドルを失っていた。自分で避けなければならないのはスポーツ賭博だけでなくテレビでスポーツを見ることも新聞でスポーツ欄を見ることもネットでスポーツ関連サイトを見ることも、スポーツ関連ラジオを聴くことも控える必要があったし自分のエリアにあるカジノのすべてに電話をかけて自分を出禁リストに加えてもらった。
●スウェーデンで行われた全国規模の研究では暮らしているエリアが経済的にどのくらい困窮しているかどうかという指標に基づき様々な精神科治療薬の処方箋率を分析している。「地域の困窮状態と精神科の薬物処方には相関がある」
●徹底的にな正直さは自覚をもたらし親密な関係性を作り充分状態のマインドセットを育む。
●世界から逃げ出すのではなく世界の中に没入することで本当の癒しが見つかる。
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