本要約ブログ

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【1%の社長しか知らない銀行とお金の話】

 

【1%の社長しか知らない銀行とお金の話】

目から鱗の分かりやすい最高の本でした。世間でいかに借金というものが間違った捉えられ方をしているかが分かります。正しい借金をどんどんするべきという心構えが大切と学べます。

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●「融資を受けないこと」は「会社を成長させないこと」世間では借金は悪いものと考えられている。個人の立場で借金を避けるのは確かに正しい。しかし会社経営は違う。

●借金=成長のための資金、利息=会社を守るための保険料、借金をする人=事業計画を立てられる人。

●無借金にこだわると、時代の変化に対応できない、既存事業、既存顧客だけでは右肩下がりになるなどの弊害により、ベンチャー精神が失われて社内の活力が急速に失われる。

●融資を受けられるのは、金融機関から「計画を立てられる人」と認められたからであり、PL,BSの数字を読み解けるから。

●実質無借金経営を目指す。財務体質を充実して現預金と固定預金の合計で長期借入金を上回ること。長期借入金を増やし月商の3倍の現預金、普通預金を確保し、緊急支払能力を高める。

●金融機関が新規事業への融資に慎重なのは成功確率が低いから。新規事業始めるときは会社に現預金がある時でなければいけない。

●金融機関からお金を借りて緊急支払能力を高める。17億円の現預金があるが16億円借り入れる。

●必要がなくても借りるのが正解。「金融機関から今すぐ借りる」「困っている人は絶対借りる、困ってなくても借りる、じゃんじゃん借りる」「あっちの銀行でもこっちの銀行でも借りる」

●黒字でも現預金がなければ倒産する。黒字倒産とは、商品が売れて帳簿上は利益が出ているにも関わらず支払いに必要な資金が不足し倒産。会社は赤字だから倒産するのではない。「現預金がないから」倒産する。

●何があっても潰れない額の現預金を持つことが何より大切。借入金は会社を潰さないための保険金。利息がもったいない、利息は無駄なお金と考えるのは、「利息=月々の保険料」「借入金=保険金」という概念がないから。金利や利息を気にせず借りられるだけ借りる。

●借入金のある会社の方が非常時に強い。どんな理不尽に見舞われてもお金があれば打つ手は無限大。

●金融機関は、晴れたら傘を貸し、雨が降ったら傘を取り上げる」と皮肉られるが、困ってる会社を助けないのは正しい。金融機関は、確実に返してもらえるからお金を貸してくれる。

●金融機関はどのような会社にお金を貸したいのか。1.過去に取引実績があること。2.返済能力が高いこと。3.財務体質がスリムであること。4.透明性が高いこと。

●一度も取引のない会社や無借金経営を続けてきた会社が急に融資を申し込んできたら、よほど追い込まれているのではないか。回収できない可能性がある、と警戒する。返済実績があると会社の信用力が高まり再び貸してくれる。

●格付けの評価分類は、安全性(健全性)、収益性、成長性、返済能力の4つに大きく分類される。

●儲かっているかよりも、現預金を持ってるかを重視している。社長による会社への貸付金も、会社から社長への貸付金も良くない。後者は不良債権化していると見做されるし役員賞与としてみられて追徴課税を受けるリスクが高まる。

●実質的な融資の決定権は支店長にある。自社の都合を押し付けないこと、金融機関の貸し出しノルマに、出来る範囲内で協力することで区別される存在になると、融資される。

●取引金融機関を1行に絞ってはいけない。A銀行が融資を断ったのは返して貰えない可能性が高いからではないか、とB銀行は考える。

●中小企業は都市銀行1、地方銀行2、信用金庫1、政府系金融機関1の割合で取引すると良い。4,5行と付き合いがあると資金繰りが安定する。

●取引銀行を選ぶときのポイント

1.売上が5億以下なら都銀は1行。

2.売上が5億以下なら信用金庫は不可欠。

3.メインバンクからの借入は全体の55%以内に留める。

4.政府系金融機関からの信用を得る。

5.近くの支店より決済額の大きな支店を選ぶ。

6.社長の個人口座と会社の口座を分ける。

●抵当権と根抵当権は何が違うか。結論、根抵当権ではなく抵当権で借りる。がベスト。

根抵当権の場合返済が完了しても、抵当権が外れない。根抵当権は、解消するのに複雑な手続きが必要で他の金融機関に融資を申し込んだとき担保価値がないものと見做されてしまう。

●金融機関にとって給与振込口座は担保と同じ価値がある。

●お金を借りれば借りるほど金利は低くなり、固定預金を増やすほど金利は高くなる。

●1億円を1人に貸すと手間が掛からないので金利が安い。1億円を10人に貸すと手間が掛かり金利が高い。売上5億以下の会社は金利が高いと文句を言ってはならない。

●長期で借りて、繰り上げない。返したら、また借りる。返済計画通り返済しているのだから会社の資金を急いで減らす必要はない。繰上げ返済は金融機関が損をする。

●リスケ(返済額を一定期間減額、期限を延長する)をするならその金融機関から新規融資を認めて貰えないのが一般的。他行からの新規融資も難しくなる。

●B/S貸借対照表ベースで経営を実現する。

・資産→現預金や設備など企業が利益を生み出すために必要な源泉。現金、預金、有価証券、建物、土地、著作権など。

・負債→借入金や社債など、外部から借りているお金。

・純資産→資本金、株主からの出資、事業を通じて得た利益の積み上げ総額など。

流動資産→現預金、売掛金、有価証券、未収入金など短期間で現金化できる資産。

●現金化しやすい資産を多く持つようにし、資金調達しにくいところからお金を集める。

●自社ビルは持たず賃貸物件を借りる。賃料は経費として計上でき税金が安くなる。本社ビルは資産になる。資産の返済は利益で行うため賃貸に比べ現金が残らない。土地は非減価償却資産のため償却できない。

●社長の個人の会社に売却するメリット。資産だった土地が経費になる。社長の個人会社に売った売却益で借入金を返済できる。固定資産と借入金が減って格付けが良くなり資金調達しやすくなる。社長の個人資産が増える。賃料を常識の範囲内で高く設定すれば個人会社の財務体質も良くなる。

内部留保を増やすのではなく未来への投資に充てる。顧客数増、社員教育、インフラ整備、経常利益、従業員満足の順。

●社長はGoogleルーカースタジオなどを用いて、きちんと毎日どこにいくらのお金があるのかをリアルタイムで把握する。経理担当者の不正などが起こるのは、そういったチェック機能がないから。

●無担保で融資を受けるための3点セット。

・経営計画書を作成して金融機関に配布する。

・経営計画発表会に各行の支店長を招待し、定性定量情報を提供する。

・定期的な銀行訪問を実施し現状報告をする。

●金融機関は数字で話せる社長を評価する。

●1年後、3年後、5年後、どのくらいの利益を出したいと考えているか。どのような財務体質の会社にしたいのか、借入金をどのように使うのか、どのような返済計画を持っているのか。

経営は逆算が基本。過去計算ではなく、未来計算。