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【スマホ脳】

 

スマホ脳】

スウェーデンのアンデシュハンセン氏のベストセラー本。人類の興りから現代の病、幸せなどが独特の切り口で語られており最高。

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●この10年の人類の行動変容、つまりコミュニケーションや互いを比べ合う手段が変わったのはあまりに大きい変化で想像以上に深刻な映画可能をもたらすかも知れない。

●心の不調で受診する人が特に若い人の間で著しく増加している。人間の脳はデジタル化に適応していない。

●自動車や電気やスマホは今やごく自然な存在だが、人間の歴史のほんの一瞬に過ぎない。人間は地球上に現れて99.9%を狩猟採集をして暮らして来た。今でも当時の生活様式に最適化されている。脳はこの1万年変わっていない。

●地球上に存在した時間の99%、動物にとってのストレスとは恐怖の3分間のことだった。その3分が過ぎれば自分が死んでいるか敵が死んでいるか。我々はそれと同じストレスを30年ローンで組むのだ。

●常に、闘争か逃走かという局面に立たされるとそれ以外のことを全て放棄してしまう。

●不安は人間特有のもの。もしもーーたら?かもしれない、など。不安はストレスのシステムを自然に作動させた結果だ。精神的に落ち着かない、体が落ち着かない(逃走か闘争かの構え)、お腹の不調、吐き気、口の渇き、汗など。

●感情を言葉で表せるようになることが大事。長期にわたるストレスはうつを引き起こしかねない。身体はもともと食べ物の消化や睡眠、機嫌、セックスへの意欲よりも「闘争か逃走か」を優先させる。

●目につくところでなくてもスマホが何処にあるのかは把握している。私たちは1日に2600回以上スマホを触り、平均して10分に一度スマホを手に取っている。スマホがないとその人の世界は崩壊する。ジムにいても誰もが自分のスマホをじっと見つめている。

●脳は常に新しいもの好き。進化の観点から見ると人間が知識を渇望するのは不思議なことではない。周囲を深く知ることで、生存の可能性が高まるからだ。新しい情報、環境を渇望するドーパミン産生細胞が存在する。

ドーパミンの最重要課題は人間に行動する動機を与えること。「かもしれない」「もしかしたら」は人間にとって重要。サバンナで木があり、上に身がなっているかどうかがわからない場合木に登って探すことが大切だ。ハズレを引いても諦めなければカロリーの高い果実というご褒美をもらえる。生き延びるつまり確率が高まる。このメカニズムで、大事な連絡かも知れない、という欲求が、10分おきにスマホを手に取る理由だ。

●報酬中枢を煽るSNS。IT企業トップは子供にスマホを与えない。スクリーンタイムを厳しく制限する。デジタルのメリーゴーランドにぐるぐる回されてしまうのは簡単だ。

●集中力こそ現代社会の貴重品。人間はマルチタスクが苦手である。得意だという人は自分を騙しているだけ。脳には切り替え時間が必要で、注意残余と呼び、ほんの数秒メールに費やしただけでも数十秒が犠牲になる。しかし並行して複数の作業を出来るスーパーマルチタスカーも人口の1-2%いる。

●脳は働きが悪い時ほど、自分を褒める。限りある作業記憶(ワーキングメモリ)。つまり知能の作業台は限られている。作業台に多くのものを広げると作業効率は落ちる。

スマホがサイレントモードでもポケットにあるだけで気が散る、リンクがあるだけで気が散る。気が散らされる存在が当たり前になった現代では、注意持続時間は12秒から8秒に下がった。(ショート動画が流行っている理由の一つ)

●長期記憶を作るには集中力が必要。脳は「固定化すること」によって長期記憶を作ることができる。

●睡眠が過小評価されている。我々はなぜ眠るのか。睡眠中に体と脳内で行われる処理は途方もなく重要なはず。なぜなら、我々の祖先にとって1日の3分の1を意識のない状態で過ごすのはとても危険だから。動物に襲われるかも知れないし、そもそも眠っても何の得にもならない。食料も集められないし子供も作れない。

●では何故睡眠が重要かというと、昼間に壊れたタンパク質が老廃物として脳から除去される。1年間で脳と同じ重さのゴミが捨てられることになる。この清掃システムがちゃんと稼働していないと、認知症脳卒中をはじめ様々な病気のリスクを高める。1日6時間睡眠以下が10日続くと、24時間起きていたのと同じくらい集中力が低下する。

●短期記憶から長期記憶への移動が夜に行われる。そのプロセスは固定化と呼ばれ、特に熟睡時に行われる。ストレスと「スクリーン」が眠りを妨げる。ブルーライトは睡眠物質メラトニンの分泌を抑制する。

SNSによる比較は喜びを奪う。人間の脳は悪い噂が大好き。誰が信用でき、誰と距離をとった方が良いのかを把握することができる。我々は争いごとにも強い関心を示す。敵がいる人にとって他にもその敵を嫌っている人がいるというのは貴重な情報だ。手を組めるかも知れないから。人口の1-2割が他の人間に殺されていた時代では誰が誰に恨みを持っているかとか誰に気をつけた方が良いとかは食べ物と同じくらい重要な情報であった。

●人間は「自分のことを話したい」という欲求がある。Facebookに人生の数年が充てられている。ではSNSを使えば使うほど社交的になったのだろうか?2000人のアメリカ人を調査したところ、熱心に利用している人たちの方が孤独を感じていることがわかった。

●うつには2種類ある。職場や人間関係などの長期なストレスに起因するもの。社会的地位を失ったことに起因するもの(クビになったりパートナーに捨てられたりした場合)。

SNSによるデジタルな嫉妬。7割がインスタのせいで自分の容姿に自信がなくなった。20代の半数が自分は魅力的でないと感じるようになったと回答。SNSが人生の満足度を下げる。

●いま着ている服は何故買ったのか?素敵だったから?値段がお手頃だった?試算によれば世界の広告業界は毎年60兆円規模で広告がスマホの中に引っ越してきている。

●人間の祖先は危険な世界に暮らしていた。飢餓や感染症、事故猛獣に襲われるのは当たり前で10歳になるまでに半数が亡くなった。ただ最も恐ろしいのは猛獣ではなく他の人間であった。狩猟採集民のうち10-15%が別の人間に殺された。農耕社会が始まるとそれは5人に1人になった。自分たちか、「あいつら」の区別を付けて残忍になる性質があるということ。

フェイクニュースが広まる理由は、人を自分たちか「あいつら」に分類しようとする強い衝動ゆえ。Facebookのタイムラインに流れてくるのは真実かどうかに関係なく、興味を持つだろうとアルゴリズムが思ったニュースが流れてくる。

snsがストレスを与え、嫉妬させ、フェイクニュースを拡散している。デジタルデトックスをする。

●「うちでは、子供たちがデジタル機器を、使う時間を制限している」スティージョブズ

 

 

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